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2章:希望と失望の狭間で (47/47)

「もう、いいかな?」


奈緒は悲観に暮れる聡に訊いた。
聡は涙と血で汚れたハンドタオルを握りしめ、拳をぶるぶると震わせる。


「最後にーーひとつだけ訊いてもいいか?」


「何?」


一刻も早く立ち去りたい奈緒は煩わしそうに答える。


「待ってていいか? 俺はーーいつまでも奈緒を待ってる……」


(ダメだよ、聡……。そんなんじゃ、いつまで経ってもーー)


「女々しいよ、聡。いい加減にして! 昨日の恵美里の熱ーーあれは嘘なの! 聡がラインして来た時はラブホテルに居たの。だから、返事しなかったのよ!」


聡の未練を断ち切る為に、奈緒は有りのままを吐き捨てた。


みぞれ混じりの雨が雪へと変わり、街の全てを白銀に染めていく。


聡のバンのフロントガラスは覆い尽くされ、去り行く奈緒の後ろ姿を見送ることも出来ない。


天までが、哀れな男を見放したようであった。


号泣する聡の口角から紅(くれない)の血が飛沫(しぶ)いたーー





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darkness in the heart ©著者:タルドス

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