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1章:晩夏と初秋の狭間で (26/26)

「そっ、そうだったの!?」


「何故そんなに驚くの?」


奈緒の疑問の一部は解決した。
やはり陽介は独身だったのだ。
年齢と子供への対応だけで陽介が既婚者だと印象を持ったのは、奈緒の早とちりだった。


「どうして黙っていたの?」


「別に……わざわざみどりで話すような事かな?」


陽介の車は再びみどりの駐車場に到着した。
陽介は奈緒を真っ直ぐに見て目を細める。


「楽しかったよ。付き合ってくれてありがとう」


「私の方こそ……。ねえ、陽さん。こうしてまた、私のお話し相手になってくれる?」


次第に陽介に敬語を使わなくなっている奈緒がいた。


「翌日仕事が無い日ならね。喜んで」


奈緒と陽介は駐車場で別れ、其々の家路へとついた。
奈緒の先を走る陽介は二人で立ち寄ったファミレスの方角へと向かって行った。


(案内してくれだなんて。陽さんはあのお店知っていたんだ……)




蒼白い月光がアスファルトを叩くーーそんな夜だった。



26 /201

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darkness in the heart ©著者:タルドス

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