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7章:アンナちゃん (1/9)

7章:アンナちゃん

ランがホストを辞めて自分のバーを出店した。

言葉の上ではわたしとランは付き合っていることになっていたけど、わたしは白けていた。

絶対的存在、ランエースがいたからだ。

わたしはあの子には敵わない。

ルックスも、ランに尽くすことも、お金の面でも。

それでも、諦めきれずにずるずるとランと連絡を取っていた。

カタチばかりの、彼女として。

バーのオープンの日、お祝いに行った。

ソファに座ってまったりビールを飲んでいたら、微妙な表情のランがやってきた。

なんだろ?シャンパンのおねだりかな?

なんて思っていたら、ランが爆弾発言をかました。

マキちゃん、お願いがあるんやけど…
その、アンナちゃんがマキちゃんと話してみたいって言ってるねん…

わたしは凍りついた。

アンナちゃん、それはランエースの名前。

わたしが絶対に敵わない、女の子の名前。

嫌だよ、怖い!何話せばいいのかわかんないよ!

と、断った。

ランは

アンナちゃんの機嫌損ねたくないねん…
アンナちゃんいい子やから、ちょっとだけでいいから話たって!

と、頭を下げられた。

ランも必死に彼女を止めたが聞かなかったのだろうと推測して、わたしは腹を決めた。

アンナちゃんの席にビールを片手に着く。

あのー、はじめまして。
マキです。
ランから、アンナさんとお話するように言われてきたのですが。

アンナちゃんは笑顔だった。

可愛かった。

そして怖かった。

マキちゃん、はじめましてー。
ホストクラブで見たときから、お話したいと思ってたんだー。
わたし、可愛い子大好き!

アンナちゃんのテーブルにはシャンパンがあり、わたしにもそれを勧められた。

アンナちゃんが本題に迫る。

で、ランとはどういう関係なの?

何気無く聞いてくる。

ここで答えを間違えたら大変なことになる。

ランの祈るような視線がわたしに注がれている。

わたしは酔っ払った振りをして

えー、ランとの関係はですね。
前はホストとお客さんでした。
今はバーテンダーとお客さんですかね。
わたしの片思いですよ。

とかなんとか言った。

アンナちゃんは

ふぅん?

と、だけ言ったが、見かねたランがわたしを呼びに来てくれたので、わたしはひとまず解放された。

あの時、アンナちゃんはわたしに本当は何を聞きたかったのだろう。

どう答えていたとしても、結果が変わるとは思わないけれど。

その後、ランとアンナちゃんのやりとりはとても大変だったらしいが、そこはランの仕事だ。

わたしには、関係のない話だ。
と、いうか、関われない案件だ。
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