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15章:葛藤 (10/10)

「失敗なんかじゃない・・・。」

そう口に出した瞬間、自分の中のレンへの想いを確信した。


私は、レンが、好きなんだって。


「・・・せやな。それが本音やろ?
ゆうちゃんの性格やったら、好きじゃない相手とそんなことできひんのとちゃうか?
自分で気付いてなかっただけで・・・

好きなんやろ?」

「・・・うん。」

「それやったら、中途半端にせんと、ちゃんと話せなあかんで?」

「・・・うん。」

「俺のこと、話してええよ。立場もあるから、名前とか店とか伏せてな?俺も、その子が誰とかあえて聞かんし。
その上で、その子がゆうちゃんとどうなりたいんか、ちゃんと聞き。

ほんで、もし相手がゆうちゃんの事好きやなくて、単に色かけただけとかやったら・・・その時は俺んとこおいでや!」

「そんな事、できないよ・・。」

「いいやん!天秤かけたらええねん。俺がええゆうてるんやから!

大丈夫、大丈夫!」



いつもと同じ様に

「大丈夫」

って笑い飛ばす。

たかひろの優しさを思ったら
涙が出そうになったけど
泣いたらいけない気がした。


「ごめんね。ありがとう。」


そう言うのが精一杯だった。



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ホス彼 ©著者:ゆう

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