7章:店外のアフター (5/5)

「寂しがりとかないよ？
子供の時からずっと一人だった。
でも、いろんな仕事してなんとかやってきたし。
だから、一人でも、平気。」

淡々と、笑ってそう話すレン。

「･･･働くことは好き？」

「好きじゃない。ずっと働いてばっかり。旅行にも行ったことないし、あんまり遊んだこともない。

でも、働くことは生きること。」




私には片親だけど、母親がいる。

この世に親がいない。兄弟も。

それがどれほど孤独なことなのか。

私には、レンの深い寂しさをすべて理解してあげることはできない。

だけど、無表情なレンの心の中を、ほんの少しだけ見た気がした。