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8章:扉 (1/2)

8章:扉





あの日から変わった事…





飼い主さんが毎日帰ってくるようになった



飼い主さんが優しくなった


箸をくれるようになった




飼い主さんが…
私を抱き締め…絡まりつくように…眠るようになった



まるで
私が逃げないように




私は毎日…飼い主さんが出掛けた後にこっそりと隠しておいたワンピースを取り出し

抱き締めた




ワンピースを着て 愁と手を繋ぎ歩く事を想像した




ギュッとしてくれた事を思い出しながら

自分で自分を抱き締めた




あの記憶だけで私は幸せだった


充分だ。望んでは…期待しては…夢を見てはいけない



飼い主さんは毎晩…私に自分を刻み込むようなセックスをする


そして私にたくさんのマークをつける……歯形が消えそうになると…新しく…つける…




深く貫かれ…揺られながら私は目を閉じ





愁を想う



愁としている想像をする





そうしなければ

何故だか解らないけれど涙が溢れてしまうから





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初恋 ©著者:花園

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