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6章:涙
私…こんなに大きな声出るんだ…
こんなに涙………出るんだ
何でこんなに悲しいのか
何でこんなに涙が止まらないのか解らないまま泣き続けていると
ガチャッ
玄関の扉を開ける音がした
ビクッ
(叱られる…)
私は声を圧し殺した
愁『おい!!仁?入るぞ。鍵開けっぱなしだったぞ』
(………愁?ダメ…来ないで)
カチャッ
私の居る部屋の扉が開いた
(………嫌だ…見ないで…お願い)
愁『何なんだよ!!…………何なんだよコレ!!』
愁は私に駆け寄ると手足を拘束していた赤いリボンを外し始めた
手が震えていて上手く外す事ができない
外している最中ずっと
愁『何なんだよ…何なんだよ……何でこんな…』
って言っていた
私は
夏『………外さないで…くだ…さ…い…』
やっとの思いで言った
愁『何で!!』
夏『………外したら…怒られ…ま…す』
愁『怒らせねーよ!!』
夏『……ダメ…愁…さん…怒られ…る』
愁『…何で俺が怒られるんだよ!!怒られねーよ…夏の事も…怒らせねーよ……大丈夫だから』
愁は震える手でリボンをほどき続ける
私が欲しかった…手で。
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