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6章:涙 (1/4)

6章:涙





私…こんなに大きな声出るんだ…

こんなに涙………出るんだ




何でこんなに悲しいのか
何でこんなに涙が止まらないのか解らないまま泣き続けていると




ガチャッ

玄関の扉を開ける音がした




ビクッ

(叱られる…)




私は声を圧し殺した




愁『おい!!仁?入るぞ。鍵開けっぱなしだったぞ』




(………愁?ダメ…来ないで)




カチャッ

私の居る部屋の扉が開いた




(………嫌だ…見ないで…お願い)




愁『何なんだよ!!…………何なんだよコレ!!』




愁は私に駆け寄ると手足を拘束していた赤いリボンを外し始めた



手が震えていて上手く外す事ができない



外している最中ずっと



愁『何なんだよ…何なんだよ……何でこんな…』



って言っていた




私は




夏『………外さないで…くだ…さ…い…』



やっとの思いで言った




愁『何で!!』




夏『………外したら…怒られ…ま…す』




愁『怒らせねーよ!!』




夏『……ダメ…愁…さん…怒られ…る』




愁『…何で俺が怒られるんだよ!!怒られねーよ…夏の事も…怒らせねーよ……大丈夫だから』




愁は震える手でリボンをほどき続ける




私が欲しかった…手で。




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初恋 ©著者:花園

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