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2章:桜
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2章:桜
あの人に出逢ったのは私が勤めていた信用金庫
何故付き合うようになったのか
たまたま私がその窓口に居たから………違うわね…
私は彼に密かに恋心を抱いていたの
彼は私の恋心に気が付いていたんだと思うわ
そしてバカな私は彼の企みにまんまと嵌まっていったのよ
〜・〜・〜・〜・〜・〜
桜「山本様…いつもご利用ありがとうございます。」
山本「おはよう。桜ちゃん♪今日も綺麗だね〜」
山本は軽い調子で桜をからかいながら
爽やかな笑顔で分厚い封筒と通帳、入金用紙を差し出した
桜は顔が紅くなるのを感じた
(紅くなっているの…バレちゃったかしら…)
桜は頬を染めた顔を見られないよう少し俯きながら
封筒と入金用紙を受け取り、集計機に札束を差し込んだ
ヒラリ
封筒から1枚の紙が桜の足元に落ちた
(何かしら…)
紙を拾い上げてみると
≪山本桜介。おうすけって読みます。桜ちゃんと漢字が一緒だね。突然ですが、今日仕事終わったらお食事でもいかがですか?090-×……≫
デートの誘いだった
…躊躇した。だって…私は綺麗でもないし…本当に冴えない普通の女だったから。
でも…山本への恋心が勝った
田舎の両親から送られてくる…山のような見合い写真にもウンザリしていたからかもしれないわ
私はメモ用紙に
≪仕事が終わりましたらお電話します。090-×……≫
そのメモ用紙を通帳に挟み、山本に渡した
桜「ご利用ありがとうございました」
メモ用紙を見た山本は顔を綻ばせ
山本「またね」
と、言い信用金庫を後にした
それが始まりだったの…
終りに向かっての。
夢のような日々だったわ
行った事も無いようなレストラン
着た事も無かったおしゃれな服
うぅん…そんな事はどうでもよかったの
彼と居られた事が……
ただただ嬉しかった
彼にもっと愛される女になろうって努力したわ
夜だって…
私ね…初めてだったのよ…
笑っちゃうでしょ?アハハ
言われるがままに応じたわ
花園の花弁にピアスを空けられたり…ふふっ…そんな事はどうでもいいわね…
ある日彼は言ったの
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桜の木の下で ©著者:花園
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