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3章:ある意味、変わった娘
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3章:ある意味、変わった娘
智子は普通の主婦である。
智子の家族は、旦那、娘、息子、犬だ。
旦那は娘が産まれても私を「智子」と呼んでいた。私の友達も「ともちゃん」と呼んでいた。それを聞き続けていた娘は話し始めた時から、私を「ともちゃん」と呼び始めた。
私はそれも可愛いなと思い、そのまま呼ばせていたので保育園の先生まで私を「ともちゃん」と呼ぶ様になってしまった。全然かまわない。しかし、娘の担任は大嫌いだったので少し抵抗はあった。が、それはもう仕方ない。
ある日、娘が座っている私に話しかけながら近づいてきて「な、智子」と呼び捨てにされ肩に手をおかれた。そこからは暫く「智子」と呼び続けられていた。慣れた。
私の母は厳格で娘が私を名前で呼ぶのをよく注意された。ほっといた。
ある夏、保育園の夏休みで1週間くらい泊まりに行かせた。迎えに行ったら久しぶりに私の顔を見てよろこんで娘が向こうから走って跳んできた。「ママー」と。
たった1週間で4年間「ともちゃん、智子」と呼ぶ習慣がついていた娘をママと呼ばせた母を恐ろしく思った智子だった。
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主婦・智子 ©著者:紅 芋子
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