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2章:ユウ17才
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2章:ユウ17才
「いらっしゃいませー」
店内に数名の男達の声が響きわたっている。
着物を着た40代の女性がユウの前をすぅーっと通りお客さんの横に座り「いつも有り難うございます谷本さん。美緒ちゃんの事、可愛がっていただいて私も嬉しいんですよ。美緒ちゃんが半年前に、このお店に来て初めてついたお客様が谷本さんでしたものね。それ以来可愛がっていただいて。今は美緒ちゃん、いきなり先月50数名の女の子を押し退けて五位入賞したんですよ。美緒ちゃんも谷本さんのおかげだと、いつも言っております」
美緒とは、姉の免許証を借り年齢を誤魔化し20才にした本当は、まだ17のユウである。
今日は美緒もママに貰った着物を来て、すっかり垢抜けた綺麗な女性に為りきっている。高校を止め、元々、整った目鼻立ち、性格とは真反対のキツイ顔をしていたユウはいつも年齢以上に見られていた。ユウは繁華街のスナックで年だけ誤魔化し本名の「優美」でアルバイトをしていた所を、このクラブのオーナーがお客さんとして来ていた時に気に入られ、給料も違うからと誘われ安易に入った店が今のクラブである。セットも1人座るだけで五万というクラブだ。最初、日給32000円から始まり今は45000円になっている。スナックで貰っていた時給2500円でも満足しており適度に楽しめていたのだが、やはりクラブになれば貰う日当も違うが毎日のセット代、衣装、アクセサリー代でも支出は大きいが残りの金額も、かなり違ってはくる。が、やはり同伴のノルマ、強制的なアフターもあり、立ち居振舞いの躾、日頃のニュース、株価、話題等の勉強もしなければならない。
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