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1章:深夜の性欲処理
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そしてこの男もまた一度は加根子の性器に顔を近づけたものの、露骨に顔を歪ませて愛撫を断念したのであった。
それでも精巣に溜まったものを吐き出したいのか、再び加根子にフェラチオを強要してきた。
舌を伸ばし、生臭い恥垢を舌先に絡める加根子。
男は息を荒くしてその様を凝視している。
「ちょっとそのままでこっち見てくれる?」
携帯電話のカメラを起動させた男は加根子の舌先だけを何度も撮影した。
「もういいよ。唾をいっぱい出してしゃぶって」
男の言うがままにペニスをしゃぶり始める加根子。
しかし薬の副作用で唾液の分泌が少ない上に、男のペニスがやたら大きかったのが重なり、加根子のフェラチオでは男を射精へと導くことが出来なかった。
顔も手も口の中も腐った魚のような臭いでいっぱいだった。
男は渋々起き上がると、財布の中から五千円札を一枚取り出した。
「悪いけど多分何されてもイかないと思うからもう帰ってくれる?」
加根子は「一万って約束でしたよね?」と冷たく言い放った。
男は「しょうがないだろ?君にその価値も技量もなかったんだからさぁ」と鼻で笑いながら五千円札を放り投げた。
「…じゃあ元の場所まで送って下さい」
「やだよ、俺あと三時間したら仕事行く支度しなきゃなんないんだぜ?タクシーで帰ればいいじゃん」
加根子は怒りを顕にして、わざと大きな音を立てて服を着はじめた。
なんて無駄な時間を過ごしたんだ!
こんな貧乏臭いアトピー野郎に蔑まれて情けない!
男は加根子を見送るでもなく携帯の画面に見入っていた。
しかし加根子が外に出たと同時に内側から施錠する音がして、その音が聞こえた瞬間、加根子は力いっぱいドアを蹴り始めた。
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醜女 ©著者:小陰唇ふりる
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