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2章:愛と金
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俺は顔の腫れがひくまで仕事にはでなくていいと言われ、目立たなくなるまで約1週間休んだ。
この1週間仲間や彼女達と過ごしながら俺はずっと早く仕事に行きたいと考えていた。
俺は早く客をつくりたい、大金を手にしたいなんて考えるようになっていた。
もともと考えがホストよりだったのかもしれない
俺は1日しか出勤していない、しかも袋叩きにされたにもかかわらず既に洗脳され始めていたのかもしれない。
しかし、現実はそう甘くはなかった。
再び出勤した俺に与えられた仕事は店に11時に店に行き12時のオープンへ向けての準備だった。
テーブルや椅子を綺麗に揃えたり、灰皿、コースター、グラスなどを並べおしぼりを巻き直したり地味な作業ばかりだった。
12時になり店がオープンすると、先輩達が出勤し客もどんどん入ってきた。
早く客を作りたい俺は新規の客につきたかった。
ホストの世界では新規以外の客はみんな誰か一人を指名しその客が使った売上がその指名したホスト……つまり担当ホストの売上になるという制度だった。
要するにいくら仕事を真面目にやっていても客から指名をもらわなければ俺の売上にはならない。
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失われた10年 ©著者:かんくろう
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