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1章:自分の存在 (2/7)

 ちょうど10年前の2月……

その日は雪が降っていた。当時まだ16だった俺は右も左もわからないまま歌舞伎町にたっていた。


今みたいにテレビでホストが取り上げられる事なんてまずない。
世間からはあまり認識されていなかった。

話は少し遡るが…
俺は小学生の頃から真面目で塾に通い私立の中学に入学した。
小学校では成績もトップクラスだったが中学ではそううまくはいかなかった。

中学に入学してきた奴らも小学校ではトップだった奴らばっかりだったからだ。
今まで順調だった俺は初めて挫折を味わった。

……そこで俺が選んだ道は少しレベルの低い高校に行きトップになる事だった。

しかし結局その高校でもトップになる事はできず
いつの間にかぐれ始めた俺は俗に言う不良達とつるむようになっていた。

しまいには出席日数もたりず留年しそうになり都立に編入したのだが……

結局そこでも出席日数がたりず進級できず留年が確実になり高校は諦めようと思った。

それでも親には高校だけは出てくれと言われ続け仕方なく通信の高校に行く事になった。


さすがの俺ももうこれ以上親に迷惑かける訳には行かないと思い高校の金は自分で出そうと思ったのが仕事を探したきっかけだった…
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失われた10年 ©著者:かんくろう

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