ホストとして、少し有頂天だった俺は一瞬にして奈落の底に落ちてしまった。

だが、少しも希望がない訳ではない。
当時ホスト雑誌No.1だったマルマルという雑誌がある。
その雑誌に３ページに渡り載る事になっていた。
10月でかよが切れた時点で迅が気を使ってくれていたのだ。


俺は顔で売っていたわけではないが、ホストに来る客にはいろんなタイプがいる。
中には俺みたいなホストがいいと言って指名してくれる子もいる。


同時に俺は新人の頃の様に暇さえあればキャッチに励む。
それと、新人の頃とは違う武器が今はある。
それは役職と経験。

新人が好きな女性もよくいるのだが、
役職ホストが好きな女性も多い。
それに加えて新人はどこの店でもキャッチをしててよくいるのだが、
幹部はそうそういない。
一応俺は有名店の幹部だからか店と役職を聞いてから足を止めてくれる事も度々あったのだ。


今は客がほとんどいない状態の為、昔みたいにレオとやりたい放題のキャッチができたのも楽しかった。