2章:愛と金 (11/11)

「蘭さんとシュウさんから聞いたよ。雪菜は今すごい大変な状況なんだね…
でも、何で少しも話してくれなかったの？」
俺は躊躇なく答えた
「俺はゆかの事まじで大事にしたいから何も心配かけたくなかった。ごめん」
「ゆかも雪菜の事が大事だよ。だから雪菜が安定するまでゆかが支える。
蘭さんとシュウさんとも約束したんだよね。
後輩思いのいい先輩だね」

　これがNo.2の力なのか……小一時間程ヘルプをしてもらっただけでこんなに順調にいくなんて。
こうして俺の初の色恋は成功した。

　ゆかというホストとしての土台ができた俺は少しずつ客を増やしていった。
入店から３ヶ月目には売上が70万になっていた。
賞金を含め給料は約40万、高校にも朝間に合うようになっていた。
足りない学費はゆかに出してもらい当初ホストを始めた目的はもうない。

　毎日仕事へ行き、高校へ通い、残りの時間は客と会う…ただ、この繰り返し。俺はこのマンネリ化した生活に飽き前みたいに仲間達と毎日遊びたい。
そう思うようになっていた。


　そんな時俺は一人の女と出会った。


この時はまだこの出会いが俺の人生を大きく変えるなど知る由もなかった……