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不信感と言っても伸吾の事は関係ないし、
俺が何かされたわけでもない。
ただ……
なんとなくなのだが、
迅の事が信用できない。
俺やレオに対する優しい態度も何か裏があるんじゃないか……
そう思っていた。
何かあるわけでもないが、それでも俺の直感が迅と深く関わってはいけないと合図をしている気がした。
今ならカテナチオに残る事もできる。
決断の時は刻々と迫っていた。
とりあえず一人で悩んで決める訳にもいかない。
「俺さ……
迅は良い奴だとは思うんだけど、なんか信用できないんだよね。
カテナチオに残ろうか正直悩んでるんだよね」
「楓は心配しすぎなんだよ。
迅は大丈夫だよ。」
レオはいつもの様に簡単に答える。
……レオがそう言っても納得がいかない。
接客をしていると、
俺は迅に呼び出された。
非常階段に連れていかれると、
「楓は俺の事あんまり信用できないんだって?」
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失われた10年 ©著者:かんくろう
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