涼也(ただいま...)


優香(何度も電話したのよ！心配したんだから...)


リビングから駆け寄る優香は、ただならぬ様子に気付いた。


優香(どうしたの？ゆうきは？)


涼也(...。 )


優香(何があったの？ちょっと...なにこれ！なにしたのあんた！)


涼也の左手の拳が腫れているのに気付いた優香は彼をソファーに座らせると直ぐにキッチンに向かい氷をタオルにつつみ優しく手を冷した。


優香(話して。なにしたの。)


彼女の声は低く冷静で涼也は初めて失う怖さを味わった...
全て話したら彼女は何て言うのだろうか...
何て説明するべきなのか...


優香(ゆうきは、どこにいんの。)


涼也(家。)


すると立ち上がると車の鍵を手にした。


優香(行くよ。)


涼也(これは俺らの問題だ。)


優香(違う。私たち夫婦の問題よ。いくの！！)


優香は強引に涼也を車に乗せるとゆうきのマンションに向かった...


玄関のドアは開かれたままで涼也が出た時のまま時間がとまっていた...