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17章:一つ
涼也(だめだった。どこも予約いっぱいだ...遅すぎたな。)
久しぶりに、涼也と優香は仕事で神奈川県に訪れていた。
昼間のランチタイムで入ったレストランで緒方は肩を落としていた。
涼也(せっかくお前と二人で旅行出来ると思ってたんだけどな...)
優香(仕方ないよ。)
数ヶ月前に訪れていた横浜社長との取引も終わりランチが済んだら都内の会社に戻る予定だ。
世間では明日から連休となりクリスマスイブが待っている。
涼也はあの日から色々な場所に電話予約を入れたがどこも満室だった。
涼也(あまり残念そうじゃないな?)
優香(そんなことないよ。非常に残念っ!)
涼也(朗報だ。今日横浜社長の所に来たのは仕事とは別に鍵を取りに来たんだ。)
優香(鍵?)
すると涼也はポケットから細長い鍵を取りだしテーブルに置いた。
優香(何の鍵?)
涼也(お前の心の鍵!笑っ)
優香(は?)
実は横浜社長は栃木に別荘持ってんだ。前から何時でも貸してやるって言ってくれてたの思い出してな。
優香(別荘?大丈夫なの?)
涼也(大丈夫だよ。俺も場所は知らないんだけど地図書いてもらったから大丈夫だろ。明日から3日間、栃木旅行だから楽しみにしとけよ!)
優香(リッチね。クリスマスに栃木の別荘?本当に行くの?)
涼也(当たり前だろ。お前は今日はもう上がっていいから。俺は会社戻って仕事終らせる。)
優香(みんなは?)
涼也(今日の仕事終わったら上がりだって伝えてるから、俺らが東京つく頃にはみんな帰るとおもう。)
優香(わかった。じゃ駅で降ろして。電車で帰るから。)
涼也(悪いな。送ってけなくて。明日朝迎えにいくよ。)
優香(うん。)
涼也は幸せそうに笑っていた。
ずっと仕事尽くしのクリスマスを送っていた二人に今年は天使が微笑んでくれるのだろうか...
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