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11章:忍耐
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11章:忍耐
車から着替えを取りだし優香の家に戻る。一瞬にしてずぶ濡れになった涼也を彼女はすぐにバスルームに案内した。
リビングとは逆の部屋には真っ白な空間が広がり様々な調味料がおかれたキッチン。
真っ白に塗られた木材のテーブルに椅子。
そしてその奥にバスルームがあった。
涼也(広いな...)
優香(まさか着替え用意しといたの?)
涼也(急に帰れなくなった時用に常につんでんだ。シャワー借りるよ。一緒に入る?)
優香(タオルここね。じゃ。後ゆっくり。)
涼也の冗談の対処法にも慣れた優香はリビングに向かった。
彼女の家のバスルームはシンプルで、お洒落なボトルにシャンプーやボディーソープが詰め込まれ、窓際にも小さな観葉植物が置かれていた。
シャワーを浴びると用意されていたバスタオルを使う。アロマのような匂いがする。
全てにおいて綺麗にまとめられた空間。
きっと良い奥さんになるだろう...。
結婚願望の無かった涼也に希望の光が射し込んだ。
さて...シャワーまでかりたがどうするか。
今晩側に寝てしまっては欲望がおさえられる自信が無かった。
そこまで酷くならないだろうと思っていた台風も勢力を増している。
とりあえず着替えると涼也のスーツが壁のハンガーにかけられていた。
涼也(なんて家庭的な子なんだ...)
リビングに向かうと彼女は眠そうにソファーに横になっていた。
涼也(サンキュー。眠いのか?先寝るか?)
優香(大丈夫。)
涼也(横になれよ。俺に気つかわなくていいから。)
優香(う〜ん...)
優香はベッドに向かうと布団に潜り込み抱き枕を抱えた。
いつもこうやって一人で寝ているのだろうか...
優香(寝ないの?)
毛布にくるみながら眠そうにしている彼女。
今すぐにでも襲ってしまいたかった...
涼也(大丈夫。ソファーで寝るから。先休めよ。お休み。)
優香(お休み...。)
すぐに目を瞑りゆっくりと呼吸をする彼女...。
触れたい願望を抑え電気を消した。
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