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10章:海の底
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10章:海の底
ファミレスで夕飯を済ませ店を出るとまるで嵐のような雨風がコンクリートのアスファルトを打ち付ける。
ニュースによると関東エリアを反れていた台風が進路を変えて接近していると放送されていた。
涼也(ヤバイな...)
優香(うーん...さっきより酷くなってるね。電車大丈夫かな。)
涼也(仕方ないな。家まで送るよ。)
優香(大丈夫なの?仕事、まだ終わってないでしょ??)
涼也(家泊まるか?)
優香(それは...嫌。下着とかないし。メイク落としもないし。寝巻きないし。)
当然の如く断る彼女に涼也は笑っていた。
涼也(じゃー全部揃ってる所いく??)
優香(は?バカじゃないの!!)
涼也は近くにあったラブホテルの看板を指差した。すると彼女はむくれ顔になり彼の肩に平手打ちを食らわした。
涼也(冗談。その代わり少し仕事さしてくんないか?お前の家で。)
優香(うっうち??いーょ大丈夫だよ。電車まだ走ってると思うし。)
涼也(少しだよ。終わったらすぐ帰るから。今日中に、仕上げなきゃなんない書類あんだ。)
優香(えーうちー??)
涼也(そう。家。少しだけ!頼むよ!)
優香(えー。)
納得いかなそうな彼女をなだめ車を走らせた。
仕事は勿論、彼女の生活スタイルを見てみたかったのだ。
どんな部屋で普段過ごしているのか、普段どんな服で寝ているのか、彼女の全てを知りらたかった。
優香(本当にあがるの?)
涼也(テーブルだけ貸してくれればいいから。少しだよ。もう引き返せないからな!)
しぶしぶ彼女を納得させ、到着したころには完全に大荒れの台風 となっていた。
周りの木々は揺れ動き枝は折れて散乱している。
車から降りると一目散に玄関へと走った。
彼女は急いで鍵を開け電気をつけると...そこには可愛らしい一つの部屋が広がっていた...
優香(待ってて、バスタオル持ってくるから!)
彼女は下駄箱の上にあるカエルの置物に、イチゴのキーフォルダーがついた鍵を置くと部屋にあがりバスルームへ向かった。
玄関のある部屋はとても広く6畳ほどの空間に沢山の観葉植物が置かれていた...
優香(このタオル使って?)
涼也(あっありがとう。)
優香(ちょっと待ってて!まだ入らないで!そこにいてよ!)
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