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1章:出逢い
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1章:出逢い
初めまして今日からお世話になる 望月 優香です。
新しい職場で従業員たちに挨拶をする望月の姿は凛とし、何の迷いも無い真っ直ぐな目線でとても緊張しているようには見えなかった...
望月 優香...現在26歳。千葉県出身 高校には行かず随分若い頃から働いてきたようだ。
緒方は望月の履歴書を見ながらデスクについた。彼女は他の従業員と軽く会話をしながらパソコンに目を落とし、やがて真剣な表情で仕事に打ち込んでいた。
緒方 涼也は、望月が入社した会社の代表取締役だ。
従業員は5人。さほど大きくはない会社だが、毎日忙しい日々を送っている。
望月 (社長、お疲れ様でした。)
緒方(あぁ、お疲れ様。どうだ?頑張れそうか?)
望月(えぇ。ありがとうございます。)
緒方(そうか。明日からも頼むよ。)
望月(はい。)
望月は、どこか冷たい目をしている。表情があまりない。白い肌にきりっとた輪郭、長い髪を束ね自信に、道溢れているように見えた。
まだ26だもんな...
ゆうき(よっ!今日も行くかっ!)
外回りから帰ってきた従業員の ゆうきは何時ものように会社に戻ると、俺に向かって合図をする。
こいつは緒方の学生時代からの友人なのだ。大手会社に就職した彼は、俺が独立した時、勝手に仕事を辞め従業員となった。
何度も止めたが、彼は一切緒方の意見を聞かなかった。
成功する保証は無いからだ。だが、ゆうきのお蔭で会社は今の所順調に仕事が、入ってくる。彼の営業能力は天才だ。単細胞の緒方には向かない。
緒方(とりあえず、生2つ。)
店員(はーい!ありがとうございまーーす)
仕事帰りにほぼ毎日来ている居酒屋。俺らアラフォー独身コンビは毎晩のようにここで酒を飲んでいた。
ゆうき(なぁ、社長、ぜったいあの子気ありますよ!)
緒方(社長って呼ぶな。今は勤務外だ。)
おしぼりで手を拭きながら、ゆうきは、先ほどの店員を見てニヤニヤしていた。
二十歳そこらだろうか、元気で、活発そうなバイトの女の子だった...
店員(お待たせしましたー!お仕事お疲れ様ですっ!)
緒方は軽く会釈しながら生ビールを受け取るとゆうきと乾杯をし一気に喉を潤した。
緒方(うまいっ!最高だな。)
ゆうき(なぁ涼也、俺らもう35だぜ?そろそろ将来設計たてないとずっとこのままアラフォー男の晩酌続ける気かよ。)
緒方(お前がいればうちの会社は安泰だ。)
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