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11章:朧月よ
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11章:朧月よ
僕は絶望した
唐突に。
何が不満があるわけでもない
僕は軽く、死ぬ事を月を見て誓った
高校生の僕はもう飽き飽きしていたのだ。
親を見ていると大人になりたくない。それだけだ、他に理由はない
家に帰ると真っ直ぐパソコンに向かい自殺方法を考えた。
でも死ぬ実感がない、どれを見ても
いよいよ自分がつまらない人間に思えた、死ぬのもめんどくさい
ふとキーワードを思いつき
自殺サイトと入力した。驚いた事にいくつもある。
少しドキドキしながら色々見てみると
新しいホームページを見つけた。ピンクと黒に装飾されたホームページは自殺にはあまり結びつかない。一言こう書いてあった
「一緒に死にましょう。◯月◯日午後12時、東京駅」
ぼーぜんとそれを見つめた。そしてこの主が誰なのかが知りたくなった。
きっと暗くて不細工で変なやつだ。
僕はカレンダーを見て明日に◯をつけた。
家から近いのもあってそこにいってみようと思った。
時間30分前につき、駅の何処にいけばいいのかわからなくなった。だいたいあんないい加減なサイトに、相手がくるのも怪しく思えてきた。
外に行き夏の暑さをイラつきながら、タバコを吸って時間をとりあえず潰してみた。
12時…まだなんにもない
携帯で時間を見ると30分になったら帰ろうと考えていた。
カチカチとライターをつけても、つかない。
ふぅとため息をついた時にスッと火を出された。
突然だったのでびっくりしながらもタバコに火をつけて隣を見た
グラサンをかけショートの黒髪
細くて顔が小さい。赤い口紅に、
沢山のピアス。バンドしてる人?と思いながら頭を下げてお礼すると
「サイトみてきたの?」
ぎょっとした。戸惑いながら
「何のサイトですか?」
「自殺サイトよ。それできたんでしょ?」
予想とは何もかも違っていた。
「サイトの人ですか?
なんで解るんですか?」
おどおどと立ち上がると、彼女も立ち上がった。僕よりも身長が高くモデルといっても誰も疑わないスタイルだった。
「自殺の匂いぷんぷんするからすぐわかるよ、いくつ?」
「18です」
「ガキね。なんで死にたいの?」
「なんとなく…です」
「理由は充分ね。うちまでついてきて、大丈夫殺したりなんかしないから」
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病んだ心の傷の美しい純白 ©著者:コウ
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