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1章:ココロノキズ (1/1)

1章:ココロノキズ

ネクタイがヒラヒラと揺れる


急いでたけど、ネクタイの先を追うように上を見た。風に色がついたように黄色くみえて、バタバタとうねってる様に見えた。

きた

あの感覚だ。心が突然空っぽになる。

またすぐ仕事に向かう。横の壁に映る自分は、とても笑顔の黄色いマスクがしてある。

きっとさっき心が空っぽになって、そうなると自然にマスクがかぶられるようになったみたいだ。

いつもより、明るく周りを笑わせる作業になる。
今日はいい事あったの?と傷つけられる。誰もマスクの中を見ようともしない。

その後飲み会にいくが、マスクは、心とは裏腹にケタケタ笑う。


…ちっとも楽しくねーよ。

酔った友達がハイタッチをしようとしてきて、ビクッと反射的に、防御しようとしてしまう。
黄色いマスクは、ケタケタ笑い満足して、飲み会を終え。家に帰った

くたくたになりベットにダイブして、枕に顔をうずめる。
休ませるものか、と言わんばかりに携帯が鳴る。

うまくいきかけてる、女の子からだ。聞いてくるのはいつも、「タイプは?」「彼女何人いた?」
誰も本当の自分なんか聞きたがらない。
自分に吐き気がする。

「君がタイプだよ」

自分が1番空っぽのウソつきだから。

手を繋いで下さい


僕と手を繋いで下さい


それだけで満たされるようで、満たされないかもしれません。

手を繋いで下さい

不思議です。

殺したいと復讐を誓った母親が死んでも少しも満たされなかった。


今は


母親と 手を繋いでみたい



もう一度


起き上がり鏡をみた、もう一度ちゃんと




そこに映る僕は

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病んだ心の傷の美しい純白 ©著者:コウ

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