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64章:白いコートの女 (1/1)

64章:白いコートの女

バレンタインデーの前日とあって、駅構内の洋菓子店や隣接する西武百貨店ではチョコレートのプレゼントを買い求める女性客で混み合っていた。真冬の街は賑やかな雰囲気に包まれていたが、拓也の気分は時間を追うごとにますます沈鬱なものになっていた。7時過ぎから通りを行き交う女性を物色し始めて、すでに3時間近くが経とうとしており、それまでに二、三人に声を掛けてみたものの全員に素っ気なく立ち去られていた。時折パラパラと降っていた小雨は、いつの間にか絶え間なく降り続けるようになり、拓也の体を冷たく濡らし始めたため、拓也はドラッグストアでビニール傘を購入した。その余計な出費さえも拓也の気分を一層惨めなものにした。大好きな女に振られ、違う女を求めて降り立った駅でも成果を上げられず、雨の中、拓也は途方に暮れていた。

時刻は10時を回り、すでに百貨店は閉店時間をとうに過ぎており、客はおろか百貨店の従業員でさえ通用口から帰り去っていた。船橋駅周辺でこの時間にも人の集まる場所と言えば、市役所に行く道の手前のドン・キホーテぐらいしか思い浮かばない。ドン・キホーテと言えば、何故かどこの店舗でもジャージ姿のヤンキー風の若者や派手な化粧の水商売風の女性の姿を目にすることが多く、拓也はそれまでに何度かドン・キホーテから出てきた女に声を掛けたことがあったが、実際に職業を聞いてみるとやはりキャバクラ嬢や風俗嬢が多く、歩美以上の女を探す場所としては格好の場所であった。ドン・キホーテに着き、店内の一階部分で女を物色していると白いコートにミニスカートにブーツを合わせた、明るい栗色の髪の小柄な女がレジの列に並んでいた。女は、ぼってりとした唇とやや垂れ目の大きな瞳が見ようによれば若干卑猥な感じで、いわゆる男好きする顔立ちであった。拓也は女がレジで精算を済ませ店を出たのを見計らって、女の後を追った。
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無題 ©著者:阿久津竜二

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