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63章:彷徨 (1/1)

63章:彷徨

メールを送った後、仕事に戻った拓也は歩美からの返事が来ていないか就業時間中、何度も上着の内ポケットから携帯電話を取り出してチェックしたが、結局、終業時刻を過ぎても返事は来なかった。やはり父親が倒れたというのは嘘なのだろう。件のマットヘルス店の専務と付き合い始めたのか、それとも全く別の新しい男が出来たのか。考えれば考えるほど大好きな女が他の男に攫われたように思え、拓也は悔しくて堪らなかった。

その日の帰り道、いつもなら腹を空かせて妻が送ってくれる手作りの冷凍食品を食べるために寄り道せずに家路を急ぐ拓也であるが、失恋の傷は相当深かったらしく、どんな好物でも喉を通りそうな気がしなかった。失恋の傷を癒すには新しい恋を始める以外に方法が無いことを二十代の頃に学習していた拓也はJR船橋駅で途中下車し、北口を出て市役所の方向に向かって歩き出した。拓也はこれまでに何度か船橋駅で見ず知らずの女性に声を掛けて、連絡先を交換したり、そのまま飲みに行ったりしたことがあった。そうして知り合い、一緒に遊んでいるうちに男女の仲になった女も何人かいたが、年末年始に歩美と会ってからは殆んど連絡を取っていなかったため、今さら連絡するのは憚られた。それに、こういうケースでは歩美以上の女を手に入れることが出来なければ、傷が完全には癒えないことを拓也は経験上、理解していた。歩美を失った拓也は新しい女を求めて、船橋駅北口の周辺を彷徨うように歩いた。
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無題 ©著者:阿久津竜二

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