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51章:外見 (1/1)

51章:外見

カウンター席には他にも数組の男女がおり、店内は若干混雑していた。間接照明の柔らかい光のもと、二人は肩を寄せ合うようにして色々な話をした。歩美とホテルに行ってセックスするまではどこか地に足が着いていなかった拓也だが、会話の端々に歳上の男としての余裕が見え隠れする程度までに落ち着きを取り戻していた。

「昔からモテたでしょ?」

「イヤ、昔はもっと太ってて、ヤバかったんよ。」

「本当?その頃の歩美も見てみたかったな。」

歩美の身体つきはまだ若干の豊満さを残していた。飯塚でホステスをしていたという当時と比べたら、かなり痩せたのだろう。拓也は隣にいる美女の太っていた頃の姿を想像した。

拓也は人間の見た目がどれほどメンタルに大きく影響するかを知っている。18歳の時に大学進学のために上京して一人暮らしを始めた拓也は入学後の最初の二週間で学校に行くのが嫌になった。学業についていけなかったからではない。学校に行くためには毎日必ず渋谷駅を通らなければならず、渋谷の街を闊歩するファッショナブルで格好の良い男女と自分を見比べて彼我の違いに嫌というほど引け目を感じたせいである。地方都市から出てきたばかりで、スポーツ刈りの髪型、顔はやや童顔で、ナイキの洋服にリュックサックを背負った小柄なその男は、数年後、髪にメッシュを入れ、日焼けサロンに通い、ジムで体を鍛えるようになっていた。拓也はタトゥーにも興味があったが、それは父親に見つかった時のことを危惧して断念した。不思議なもので見た目が変わればメンタルも変わる。大学一年の時に友人に連れられて行った埼玉の女子大の学園祭では、友人の頑張りで女子をファミリーレストランに連れ出したまでは良かったが、拓也は全く喋れずにその場を台無しにした。そんな男が数年後には三田の学園祭に一人で乗り込んで行き、女を持ち帰るという荒技を極めるまでになっていた。拓也は見た目というものをその人の人となりを知るうえで重要な手掛かりと考えていた。
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無題 ©著者:阿久津竜二

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