ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

50章:食い道楽 (1/1)

50章:食い道楽

店内に入り靴を脱いだ後、二人はカウンター席に通された。どうやら拓也のことを知っている人間はいないようである。カウンター席の前では店の大将と思しき板前風の男性が黙々と調理をしていたが、席に着いた二人を一瞥すると拓也と目が合った。拓也は自分たちがどのように見られているか気になった。恋人、友達、夫婦、キャバクラ嬢と客の同伴、PTAで知り合った不倫カップル。どれも外れだが、もしも歩美と別の出会い方をしていれば、どれも可能性があるような気がした。拓也は風俗嬢である歩美を普通の女と何も変わらないと思っていた。特に性欲が強いということもなく、美人で巨乳で気立てが良いこと以外に、たまたま入った風俗の世界に今も身を置いていることの必然性を感じなかった。

二人は烏龍茶で乾杯し、刺身の盛り合わせやシーザーサラダを注文した。運ばれてきた料理は大将の仕事が良いのかどれも美味であり、その上、値段も手頃であった。カウンター席の後ろには日本酒や焼酎のボトルが棚一杯に陳列されており、種類も豊富であった。この辺りには珍しく良い店だと拓也は思った。拓也はグルメではないが、食に関しては貪欲な所があり、経済的に無理のない範囲で出来る限り美味いものを食べたいという気持ちが強い。そのためミシュランの星を獲得したような高級店には全く興味を示さないが、蕎麦やラーメンの店など一度気に入ると何度も通うような所があった。同じことは女遊びに関しても言えた。一回の料金が8万というような吉原の高級ソープランドなどには全く興味がなく、拓也は行ってみたいと思ったことすらない。同じ8万を出すのならば、気に入った女にその金を渡して何回か会って貰う方がずっと良いと思うのである。だが隣の席で甲斐甲斐しくシーザーサラダを拓也の分まで取り分けようとしている歩美を見ると、とてもそんな本音をぶつけてみる気にはなれなかった。
50 /70

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

無題 ©著者:阿久津竜二

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.