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41章:筑豊
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41章:筑豊
大学を卒業して社会人になってからまだ数年しか経っていない当時の拓也は、たまに仕事で訪れるこの地域のことがあまり好きではなかった。公共工事頼みの土建業以外にこれといった産業が無く、パチンコ屋やラブホテルのような娯楽産業だけが誘蛾灯のように地元の老若男女を集客し、時間となけ無しの金を浪費させては繁栄する。そんな衰退する地方都市の典型のように思えたのであった。そして当時の拓也は、通りかかったパチンコ屋の駐車場が軽自動車や年式の古い大衆車で平日の昼間から埋め尽くされている様子を見ながら、社会の底辺で蠢く人々の自堕落さや自助努力の無さが地方の衰退の原因だと勝手に決めつけて、エリートこそが社会を正しい方向に導けると信じ込んでいた。
しかし、それは世間知らずの若者の思い上がりであったことを拓也は数年後に気づかされる。とりわけ東日本大震災は大きな転換点であった。官僚や政治家は自らの保身のために放射性物質が漏れている事実を隠蔽し、あれだけの重大事故を起こしたにも関わらず東京電力の幹部は誰一人責任を問われない。拓也が身を置く銀行業界然り、結局、社会の上層部と言っても、カネや出世のために庶民を利用し、いざとなれば平然と切り捨てる連中ばかりだということが分かったのである。むしろ権力を持っていない分だけ、平日の午前中からパチンコ屋に並んでいるニートや生活保護受給者の方が無害でマシなのかも知れない。
エリートへの強い不信感を持つようになった拓也はかつてどうしても好きになれなかった筑豊の街が急に懐かしく、愛着のあるものとして思えるようになっていた。拓也の頭の中で金曜日の夜、歩美と一緒に行くホテルが決まった。ザナドゥの意味を調べると桃源郷らしく、恋い焦がれる程に愛しくなった歩美と久しぶりにセックスする場所としてはぴったりの名前のように思えた。
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無題 ©著者:阿久津竜二
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