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10章:率直さ (1/1)

10章:率直さ

拓也はメールするときも、電話するときも、わりとストレートな表現を好む男である。ある時、拓也はたまたま立ち寄った書店で伝え方に関するハウツー本を見つけた。その本の著者曰く、デートに誘いたいならば「デートに行かない?」と誘うのではなく、「驚くほど美味いパスタ食べに行かない?」あるいは、「驚くほど美味いパスタか、石窯フォカッチャを食べに行かない?」などと誘ったほうが、誘われた相手にもメリットが提示できるため良いのだという。
拓也はこういう意見を全く理解できない訳ではない。実際にその方が上手く行くような気もする。しかし、デートに誘いたい相手にデートに行きたいとストレートに表現して何が悪いのだとも思う。それで断られたら仕方ないし、パスタやフォカッチャ云々で誘いに乗る女などたかがしれている、と思うのである。それに対しては、女の方も本当にパスタやフォカッチャに惹かれているわけではなく、自分に対する気配りを求めており、誘ってきた相手が気配り出来る男かどうかをメールの表現で判断し、スクリーニングしているのだという意見があるかもしれない。

しかし拓也にとって、それは女の浅知恵としか思えなかった。例えるならば、綺麗事ばかり言って本音を言わない政治家や官僚に弄ばれる愚かな国民のようなものである。体裁や体面ばかりが重視される現代社会ではあるが、せめて恋愛のときぐらい好きな女には率直に好きだと伝え、デートしたい、セックスしたいとストレートに伝えて何がいけないのか。もちろん拓也も女の喜ぶ顔は見たいし、そのために一生懸命気配りする男である。だが、率直な付き合いこそが拓也の理想とする人間関係であった。そして拓也は、そうした人間関係を妻も含めて今まで付き合ったどの女とも築いた試しがなかった。
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無題 ©著者:阿久津竜二

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