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5章:直美
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ラリって笑っていた直美...
俊の部屋で、俊は私の目を真っ直ぐ見て言った。
直美の事は忘れろと...
私は黙って頷いた。
そして俊と初めての肉体関係を持った。
私は処女ではない。
終わった後、沈黙が流れた...
『俺の前はどいつ?』と聞かれた。
言えない...
俊に問い詰められたが言えない。
俊は『もしかして?父親?』
気づいていたらしい。
私が泣きながら俊の家で御飯を食べた時に...
もう、俊とは会えない。
だから告白した。
記憶の限りの今までの私自身について...
不思議と冷静沈着な私だった。
だって、終わったんだもんね...
俊は、私を抱きしめた。
『俺がいる、もう大丈夫だ。美砂子は美砂子だ』と。
魂が抜けた様な私は
又、記憶を失った。
気づくと真夜中だった。
俊は、起きていた。
そして、その目は真っ赤だった。
泣いたの?と聞いた。
泣いてないと俊は答えた。
又、私をきつくきつく抱きしめた。
このまま時が止まって欲しいと
本気で願った。
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