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5章:直美 (1/10)

5章:直美

その夜は不気味な程何も起きなかった。

父からは絶対殴られると覚悟をしていたが、完全に無視された。

母も何も言わない。

俊と出逢ったから?

もう、闇はなくなるの?

本当に熟睡した。

朝学校に行こうと玄関を出たら

何と俊の車があった。

躊躇わず助手席に
滑り込んだ。

『オハヨ!』とキスをされた。

幸せに浸った...

『何で家知ってるの?』と聞いたら

『調べさせた(笑)』と言う。

『誰に?』
と聞いたら

『橋本』だと言う。

橋本は当時のバンを張っていた奴だ。

何回か『付き合え』と言われたが、一才無視をしていた。

俊が『橋本がビックリしてた(笑)俺の女は美砂子だって言ったらな(笑)』と言いながら

華麗なハンドルさばきで俊の自宅に着いた。

叔母さんも『美砂子ちゃん、何か食べた?痩せすぎよー!』

私は、給食以外は食べていなかったのでガリガリに近かった...

自宅では食事は禁止されていたので、当たり前だ。

初めての食卓には、色んな料理が並べられていた。

私は、不覚にも泣いてしまった。

叔母さんも俊も何も聞かなかった。

それが、又嬉しかった...
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私は多重人格者 ©著者:美砂子

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