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5章:直美
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中学一年生の春休みになった。
何故だか自宅で以前の様な虐待を受けなくなった。
私は俊の家に入り浸り状態だった。
私を連れて、不良の集う場所によく行った。
何故だか皆が私を知ってる。
一度、チャラチャラした奴が俊
に
『彼女スゲェ怖いんですよね?』
とヘラヘラと言った瞬間、そいつは吹っ飛んだ。
俊が手を出したのは始めてだったので私はビックリして又、過呼吸になった。
苦しい中で、私は怖い奴?なんで?直美の事?そうだ、直美しかいないと何故だか確信した。
吹っ飛んだ奴の頭上で
『あんた、直美知ってるよね?直美の男?ならば、直美連れて来ないと殺すよ?』と言いながら、馬乗りになって首を絞めた。
俊も周りも必死で私を引き離そうとするが、私は首を絞める手を離そうとはしなかった。
しかし、所詮俊を始め男達の力にはかなわない。
静まり返った店内で俊は、吹っ飛んだ奴に
『お前、直美知ってる?』と
冷たい声で聞いた。
微かにハイとそいつは答えた。
俊は、直美連れて来いと呟いた。
但し美砂子の名前は出すなよ、と。
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