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4章:友達 (1/10)

4章:友達



夏休み間近、学校から帰る為に下駄箱の前に行ったら、悲鳴らしい女の声がした。

普段ならば、我関せずの私だったがやけに気になり、悲鳴らしい声の元に行った。

モロヤンキーの先輩風が一人の女の子を囲んでしめてる。

虐待されて育った私は、かつての自分を見せつけられている様な錯覚に陥った。

瞬間、私は、不良達に『勉強も出来ないバカが何してんのさ?この子があんたらに何したわけ?男でも取られたとか?(笑)』

怖いモノなど何もなかった...

不良達の中には、やたらと私につきまとう数名がいたので、手はあげられなかった。

話しを要約すると、持って来いと言ったお金を持って来なかったと言う。

『カツアゲすんならさ、あんたら男に貢いでもらいなよ。それか、身体売れよ♪コジキだね♪(笑)』

そう言うと、ヤンキー達は無言で去って行った。

私も帰ろうと思い、歩き出したら私の足首を握りしめた金髪だがあどけない女の子が横たわっていた。

目に涙を浮かべ『美砂子っていう人でしょ?ありがとう、ありがとう。』と繰返し私に笑う。

何かが通じた...

口の中をかなり切っていたのだろう、口元は血に染まっていた...

この子の名前は直美。直美の家は学校から歩いて五分程だと言う。

産まれて始めて、自宅以外の家に向かった...

直美は『噂で美砂子っていうスゴい子がいるって聞いてた。まさか、助けてくれるなんて...』

とポツリと言った。

この子も独りぼっちなんだろうなと思った。
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私は多重人格者 ©著者:美砂子

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