次の朝、集に起こされて気付くと、時計はもう２時を過ぎていた…。

昨日も夜から無理矢理集に『今日は侑の門出に一杯やるぞ』と誘われお決まりのコース…。

集をタクシーに無理矢理押し込んだ辺りから俺の記憶もない。

ただいつだって想うのはあんなに酔っぱらって記憶もないのに人はどうやって家に辿り着くのか(笑)

謎過ぎる…。

そして二人で急いで支度をし、ウィダーインゼリーを一気に胃に流し込み、俺らはキスクラに向かった…。

キスクラは２４時間営業、２４時間殆ど客が途切れる事はなかった…。

そうここは、裏カジノクラブ…。

毎日、毎日、何百万、何千万と金が賭けられる非合法の賭博場である…。
ちなみにこの賭博場で行われる『バカラ』というゲームのその意味は『破産』で文字通り単純明解なルールで勝率もほぼ２分の１だが、覚えてしまったら最後…。

最後は早かれ遅かれ『破産』してしまう悪魔のようなギャンブルだった…。

実際これから先、何人もの客がキスクラにやって来てはいつかは消えるという光景を見る事になる…。