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6章:遠回り
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「俺は幸せまでの遠回りだと思ってる。」
「遠回り?」
「そう。世間知らずになるより良くない?イロイロ経験してさ、それから絶対に俺の幸せな家族を作るの。」
「きっと作れるよ。死ぬ時は誰でもプラマイゼロだって言うし!若い時の苦労は買ってでもしたほうが良い!(笑)」
「千里…昭和の匂いが…(笑)」
「おばあちゃん子で悪かったわね…」
「千里…可愛い(笑)」
「…っっ!」
耳まで一気に赤くなったのが解る。
元カレと別れて二年…言われてなかったなぁ…
気付くと綺麗な顔が目の前にあった。
「俺の前でだけ素直で可愛い千里にするから覚悟しといて。」
その目は真剣で怖い位だった。
でも逃げたいとは思わなかった。
私自身、素直になりたかったのかも知れない。
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