「ここ、あいてるー？」

講義中なのに遠慮ナシの大声、

横を見ると、背の高いギャルが立っていた。


「あいてるｹﾄﾞ」
私はめんどくさそうに言った。

「じゃあ、横失礼しまーす！
名前なんてゆーの？
アタシ、里奈！
いつも一人で授業受けてんのー？
つーかマジこの授業ダルくね？
必修とかウザいしー！
アタシ、今日初めて出たよ。アハハ。
代返してもらいたかったけど、バレるらしーよ。
なんでバレるんだろ、
カナリうけるー！」





・・・

なんだ、コイツ。

デカイ声で長々と！


「ちょっと静かにして」

皆がこっちを見ている。

「えっ！？静香つー名前！？」

ちげーよ！バカギャル！

あら、やだ私ったら。

お下品な言葉を、ホホホ。

私は声を押し殺し、

「私の名前はマコト、
静かにしてって言ったの！」

「マコト！
マコッチ、よろしくー！
てか、静香かと思ったしー！
マジうけるー！！！」



いや、ウケませんし

相変わらず大声でグダグダと。


講義中、里奈はずっと喋り続け、

私はずっと無視し続けたわ。


陰険？ごめんあそばせ。