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1章:風説 (4/4)

本屋の店員が駐車場に止まった車を見て顔をしかめた。

自動ドアが開き、昭夫が俯きながら入ってきた。

「いらっしゃいませ…」

一瞬にして豚の臭いが店内に広がる。

「くさっ…」

どこからとも聞こえてくる声。
昭夫にとっては耳慣れた言葉であった。

養豚場での暮らしで染み着いた臭い、それに加え昭夫自身が全く不潔とか清潔とか、そういったものに無頓着な男だったので、この辺りの人間は昭夫をひどく疎ましく思っていた。

昭夫は月に一度だけ本屋にやって来る。
顔中に大便を塗りたくっている若い女が表紙の本。
昭夫は毎月この類いの成人向け雑誌を取り寄せていたのである。

レジの女が息を止めているのがわかった。
昭夫はわざと小銭を一枚一枚取り出して、時間をかけて代金を支払った。

「ありがとうございました」

昭夫が出て行くと、店員同士は顔を見合わせ、口をへの字に曲げて嫌悪感を剥き出しにした。


「なんやあいつら…お前らのケツの穴も糞の臭いしかせんやろが!お高く止まりやがって!」

昭夫はアクセルを目一杯踏み込んで家路を急いだ。

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豚の穴 ©著者:小陰唇ふりる

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