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16章:無数の傷跡
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「で、瞳さんはレイジーにいたよ…」
「え!!??」
あたしは耳を疑った
レイジーって…
レイジーってパチンコ屋だよ?
人の目ん玉くりぬいておいて、
その足でパチンコ屋なんか行く!?
それこそ薬中なんじゃないの…
あたしはそれを聞いて
またもや気絶しそうになった
「みんな異常者だよ…」
あたしがポツリと呟くと、
望は下を向いて言った
「全部、ぜんぶっ…
俺のせいだよね」
「違う!今回のことはあたしと瞳さんとクレアが悪いんだよ!
望はなにもしてない!」
これはあたしの本心…
「そう、
俺はなにもしてない
俺は何もできなかったんだ…
俺のせいでこうなったのにみんなに迷惑かけて…」
「望…」
これ以上何か言っても、
望はもっと自分を追い込んでしまう
あたしは黙ってしまった
病室の窓からは、
秋の風が入ってきて
あたしたちの溜め息も
秋の空に散って行った
これが、
あの日
のこと
忘れられない
あの日
のこと
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