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10章:飛ぶ。
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電話をかけ直すと
ワンコールで
すぐにとったアキ。
挨拶もなしに
ただこう言った。
『今日からすこし、そっちに帰る。お前が誰かにこのことを話したり、面倒なことを言わないなら、会えるぞ。会うか?』
泣いていた。
何もいえず、
うなづいた。
アキは、大笑いしながら
『そんなに会いたかったか?』
『さすがお前だな』
と、満足しながら、
でもうんざりしたように
言った。
周りが騒がしい。
『あ、来た。ぢゃあ、駅まで迎えにこいよ。』
ブツっと電話が途切れ、
何も出来ず、
切れた携帯を眺めていると、
メールが来た。
『午後6時38分に駅に着くぞ。お前は俺の彼女ってことで。何か聞かれても笑ってごまかせよ。』
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