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6章:第一話-6:【ワタシヲ棄テタ男】 (2/9)

駅から歩いて15分ほどの瀟洒(しょうしゃ)なタイル貼りのマンション。


105号室が篤哉の部屋だ。

いつも、ドアを少し開けてチェーンを掛け、風を通してあるその扉は、ピタリと閉ざされていた。


あの様子では、夏休み中どこへも出掛けていない。彼はーードアの向こうに確かに居る。


チャイムを鳴らした。


一回。


二回。


三回。



部屋からは全く応答は無く、私はマンション前、植え込みに設えられたベンチに腰を掛けた。



ーー部屋の鍵は持っている。アポイトメント無しで、部屋に入っても良いと言われている。


迷ったが、鍵を開けて入るのは良策では無いと判断した。



もう一度、チャイムを鳴らそう。


私は立ち上がり、インターホンのボタンを押す。



「ピンポーン……」



インターホンからは受話器を取る鈍い音。



「……はい」



暗く、こ籠った……篤哉の声が聞こえた。


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【荊棘】(おどろ)外伝・二題 ©著者:七斗

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