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5章:第一話-5:【黒と白だけの世界で】 (2/27)

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「……ここは“7七銀”しかねぇだろ」



日曜日。NHK放映の将棋番組を観ながら、篤哉は次々にプロが打つ“次の一手”を読んでいく。


それはことごとく的中し、対戦終了後の棋譜(きふ)までもを記憶の中から淀みなく辿る。



「女流が負けかぁ……中盤の“遠見の角”が効いたなぁ……」



“遠見の角”とは将棋の格言で、
自陣に持ち駒の角を打ち込み、敵陣をギロリとにらんでいること。


野球中継では、配球をこれまた全て読み、舌を巻いた。



ーー神は、篤哉の生まれた境遇と引き換えに豊かな感受性と、研ぎ澄まされた感性を与え、平衡を統一した。


しかし、凹凸を均(なら)す肉親は現存せずに、それは彼の好きな方向に歪(いびつ)に完成される。



ーーそれからというものは……篤哉はストーリーを遵守することを諦めた。


その代わり……。



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【荊棘】(おどろ)外伝・二題 ©著者:七斗

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