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2章:第一話-2:【篤哉】 (16/16)

「プ……プリティですか……あはは! でも、確かにお似合いです」



篤哉の柔和に変化した眼は、それでも鋭さを秘めている。



「……仕事帰りだからといって、作業で汚れたまま、街を歩くのは嫌なんだ……“俺”が崩れる……そこらの“人間ども”とは違う……」



聞いてはいけない事を聞いたような気がした。“ひと”には誰しもオンタイムとオフタイムがある。
果たして彼に、オフタイムが存在するのだろうか。24時間、気を張って生きているひとなのかも……ふと、そう感じた。


足元に眼を移すと、真っ白な足袋ソックスに雪駄。作業中は安全靴を履くだろうから、帰りに履き替えたことが判る。徹底していた。


私の視線を見て篤哉は続ける。



「冬はレースアップブーツのみ。ドクター・マーチンとか、レッド・ウイングとかな」


「……すみません。とても……想像出来ません」


「あ、そう? じゃ、一緒に越冬するか」



ほんの少し、はにかんだ。
けれど、心の核にはーー太いくさびが刺さっているのが見えた。





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【荊棘】(おどろ)外伝・二題 ©著者:七斗

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