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35章:凵 ^
「ん……!」
私…一体どうしたんだろう…。
ムクリ
「………」
ここはどこだろう…気が付くと、
綺麗なお部屋の中でおっきなベッドの上に寝かされてた…。
体は自由に動くし、首輪も外れてる…。
パジャマだって着たまんま…。
おじさんが居ないけど…
どこへ行ったんだろう…
確か…バラバラにしたたもつお兄ちゃんを冷蔵庫にしまった後、地下室から上がってきたおじさんにいきなり変な臭いを嗅がされたんだ…。
私、これからどうなっちゃうんだろう…
おじさんが戻ってきたら、
次は何されるんだろう…。
不安で押し潰されそう…。
キョロキョロ…
枕元の脇には台の上にランプが灯ってて…うっすら透き通った、おっきなカーテンの向こうに見えるベランダからは、もうお外が暗くなってる事が分かった…。
今夜ゆいちゃんの骨を埋めにお山へ連れてくって言ってたけど…今何時くらいだろう…。
どれくらい気を失ってたんだろう…。
くんくん…
入り口の扉は閉まってるけど…なんだか、お部屋の外から美味しそうないい匂いが微かに漂ってきた…。
晩ご飯として早速たもつお兄ちゃんのお肉を使って料理してるのかな…やだな…。
くんくん…
ふかふかのベッドの上に座って、
何も出来ずにずっとひとりぼっちで居ると、美味しそうな匂いとは別に…女の人っぽい…香水みたいな香りをふわりと感じた…。
もしかするとここは…
カチャリ
「あら、とっこちゃん。
良かった…気が付いたのね」
「あっ…ひさこお姉ちゃん…!」
その時、扉が開いて顔を覗かせたのはおじさんじゃなくって、ひさこお姉ちゃんだった…!
ポフッ
「体は大丈夫?」
そう聞きながらお姉ちゃんは私の側に寄って来て、ベッドの上に腰掛けた…。
「うん…大丈夫だけど…ここはどこ…?」
「ここはね、あたしが住んでるマンションの一室よ」
「おじさんは…?」
「さぁ…突然あたしに連絡してきて、
しばらくとっこちゃんを預かれって言ったまま帰って行ったわ」
どういう事だろう…私、ひさこお姉ちゃんに預けられたの…?
ひさこお姉ちゃん、なんだか私の事を『とっこちゃん』なんて呼んでくれてる…嬉しい。
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刻子 ©著者:池沼
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