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11章:宿題
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11章:宿題
プツッ
おじさんはDVDのスイッチを切ってテレビを消すと、じっと私の目を覗き込んでくる…。
「見たか」
「は、はい…っ!」
「最初から最後までぇ、目をひんむいてぇ、耳ぃかっぽじってよく見たか?え!?」
まばたきを一切しない、充血した真っ赤なその目は…獣が獲物を狙う時みたいだった…。
「はひぃっ…!」
私も…見てるほとんどの間、おじさんに目を無理矢理こじ開けられてて…乾いて痛かったから涙がぽろぽろ溢れっぱなしで、きっと今はおじさんと同じくらい充血してるだろな…。
バァンッ!!
びくっ…
そう思った瞬間、おじさんは私の目の前の机を思い切り叩いた…!
「なつきの骨を穴に捨ててる時、ゆいがなんて言ってたか言ってみろ」
「ふぇ…?」
びっくりして…頭の中が真っ白になっちゃって…私、すぐに思い出せなかったの…。
「なつきに対する感謝を込めながらゆいが何を言ってたのかを聞いてんだよおぉぉぉぉぉぉ!!
ちゃんとしっかり見てたなら分かるだろうがっ!!??」
バチンッ!!
「いだぁっ!びあぁぁぁぁっ!!ぶたないでぇぇぇっ!!痛いよおぉぉぉ!!」
顔を思い切り強く叩かれて…鼻血が垂れてきた…。
「じゃあさっさと答えろ!!」
「えっ…えっ…栄養になてくれてありがとうござ」
「それだけかぁ!?」
「あと…あと…お肉おいしかたです…って…!」
「そうっ!肉が美味かったって言ったよな!?
ゆいがなつきの肉は美味かったって言ってただろ!?私が言った通りだろうがっ!!
そら見ろ!!教育の腕が良いから喰えるようになったんだっ!!だから、なっ!?ときこっ!!お前もゆいの肉を喰えるようになるんだ!!私の言う通りにすれば何も間違いは無いってこれで分かっただろう!!えぇ!?」
「はひっ…!ひっ…!ひっ…!」
私の肩を両手でガクガクと揺さぶりながらまくしたててくる…。
「他には!?今の映像でなんて言ってた!?」
「ひぐっ…っ…!なちゅきしゃんのおかげでせいちょうしまひた…!」
「そうだ!!そうだぞ!?ときこぉーっ!!
ゆいは最後の別れ際、なつきへの深い感謝を述べていたっっ!!お蔭様でという精神だ!!あなたの肉を!!体を!!美味しく美味しく戴きましたよっていう感謝の気持ちだ!!
これでいかにして我々の食卓に肉が届くかという工程と、メシが喰えるありがたみを痛感しただろう!!」
「ふぁい…っ!」
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刻子 ©著者:池沼
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