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8章:お勉強
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シャクシャク…シャクシャク…
美味しい…!ここに来て初めて普通の食べ物を食べさせて貰えたし、とってもお腹ぺこぺこだったからすごく美味しい…!
シャクシャク…シャクシャク…
最初の内は夢中になってコーンフレークにありついてたけど…口の中で噛み砕きながらふと、目線を上げてみると…
「!」
すぐそこに昨日おじさんに放り投げられたゆいちゃんの頭がまだ転がったままだった…。
またガラス玉みたいな真っ赤なおめめが私をじっと見てる…。
『おうちに帰れなくて悲しいよ…』って訴えてるみたいな表情で…。
おじさんは、いつの間にか椅子に座り、テーブルで私と同じ様にボウルに入ったコーンフレークをスプーンで食べながらテレビを見てる。
シャクシャク…シャクシャク…
ゆいちゃんの頭を見て食欲が失せたけど…おじさんの意識が私からそれてる内に、また嫌な命令をされない内に、わたしは早くコーンフレークを平らげてしまおうと、急いで食べる。
「ときこ、ポンキッキやってるぞ。好きか?」
急に話しかけられた。
「は…わ、わんっ!」
「わんじゃわからん」
「好きですっ…!」
「そうか。じゃあ見ろ」
「わんっ!」
なんとおじさんは私にポンキッキを見ていいと許してくれた…!
ボウルの中のコーンフレークを食べ切って、牛乳も全部綺麗に舐めた後、私は束の間の憩いのひとときを楽しむ。
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刻子 ©著者:池沼
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