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17章:純愛
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ヒナが働くデリヘル店に、真夜という女がいた。
真夜は、40歳の独身者で、昼も夜も風俗で生きている女だった。
真夜は、身長も高く大柄で、肌の色も白くなく、そのため客からのチェンジには慣れている女だった。
そんな真夜は、毎晩ホストクラブに通い、お気に入りのホストに大金を注ぎ込んでいた。。
雨の日も風の日も、お茶引きの日も休日も、真夜は甲斐甲斐しく店に通い、夢の世界で酒に酔った。
ヒナは、何度かそのホストクラブに行った事があった。
ヒナがたまたま生理になり早あがりをした日、待機部屋で真夜に誘われたため、暇潰しがてら菜々も連れ三人で行ったのが初めてだった。
真夜は、売れっ子二人を引きつれて、とても嬉しそうだった。
「ユウ君がね、私が浮気していないか、私の仕事仲間と会って確認したいんだって」
真夜はそう言い、慣れた手つきでクラブのドアを開けた。
様々な色の薔薇が咲き乱れる入り口、ブランドのスーツで身を包んだ男たちが、三人を出迎えた。
テレビでもよくとりあげられるその店は、さすがに客も多く、高レベルな雰囲気だった。
三人がボックスに座ると、ヘルプの若いホストたちがやってきて、あれこれと話を始める。
女なんて見慣れているはずのホストたちにとっても、ヒナと菜々の美しさには緊張を隠せない様子らしく、ホストたちは、らしからぬ様子で赤面したりしていた。
少しすると、「ユウ君」がホスト二人を連れて現れた。
ヘルプの男の子たちは、ご馳走様でしたと言い、消えて行く。
ユウ君は27歳になる、この店でナンバーに入る売れっ子らしい。
ドルガバのスーツで身を包み、アーモンド色の髪は艶々と光り、真っ白な前歯はインプラントだろう。
真っ黒なコンタクトの瞳で、ユウ君は真夜に微笑んだ。
そして、真夜は自分の年齢を忘れ、お姫様になった…
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透明な世界 ©著者:品川
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