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9章:新しい街 (4/5)

小さな氷の粒たちは
太陽が近づいてくるにつれて、少しずつ消えて無くなっていく。

それでも身体が感じる寒さは変わらず、ヒナはベンチに座ったまま震えていた。


街灯が消え、空はだんだん明るくなってきた。

電車も動き始め、街は目を覚ます。




いつまでもここにいても仕方がない…


ヒナはかじかんだ身体で立ち上がった。

体温で温まっていた場所に、冷たい空気が染み渡る。

取り敢えずラブホテルで少し眠り、今後の事はそれから考える事にした。



10分も歩けば街中から離れ、裏駅の少し静かな道にでた。

下を向きながらトボトボと歩くヒナの髪は、風に揺れていた。


そんなヒナの髪に見惚れた男がいた。



男の名前は和樹。

近くの大学に通う、二十歳の大学生だ。



和樹は、駅前のスナックでボーイのバイトをしていて、その帰り道にヒナを見つけた。


華奢で寂しげなヒナから目が離せなくなり、和樹は思わず声をかけた。



振り向いたヒナの髪は、やはり風に揺れていた。



どこからか、洗濯洗剤の匂いがした。

遠くから、踏み切りの音が聞こえた。




「朝」が近づいてくる…

ヒナはそんな事を考えながら、たたずむ和樹をボンヤリと見つめていた。
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透明な世界 ©著者:品川

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