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4章:本妻 (5/5)

異常にかかってくるルカからの電話。
恭は一度も出なかったが、それでも1日に何度も何度もかかってきた。

しかし着信拒否をしてからは、公衆電話からたまにかかってくるだけになったので、それも拒否した。


ルカがお店に来ない
と、一度だけクラブから連絡があったが、
もう別れたので知らない
と答えると、それきりかかってこなかった。



恭はヒナの身を心配し、ヒナの仕事は出来るだけ送り迎えをし、用事がなければ待機部屋で仲間と過ごしヒナを待った。



ホテル街のネオンは、下品な輝きで夜の到来を教えてくれる。

星よりも明るいそのネオンは、まるで心の隙間を埋めていく様に、闇の世界の人間達を優しく照らしていた。 




ヒナは仕事を終えて待機部屋に戻ると、まずシャワーを浴びた。
ホテルでも浴びているため、身体はいつも乾燥していた。

そんなヒナに気付けば、恭は薬局に寄り、ヒナのために保湿剤を買った。


シャワーを浴びて、自分の荷物をしまう棚を開けたヒナは、ベビーローションを見つけると、すぐに恭の優しさだと気付いた。

何の気なしに仲間と喋っている恭は、チラチラとヒナの様子を伺っていて、ヒナはわざと恭を見つめて微笑んだ。

知ってか知らずか、恭はわざと顔をそむけた。




ヒナの帰り支度がすむと、二人は車に乗り込み、裏駅にある寂れた蕎麦屋へ向かった。

蕎麦屋へ向かう途中、ヒナは恭に

ありがとう

と言った。


恭は前を向いたまま、

ああ…

と小さく微笑んだ。



街中でたむろしている、不良かぶれした少年たちが、恭の車を目で追いかける。
そんな視線にもう慣れたヒナは、まだ少し湿っている髪を、モコモコしたシュシュでまとめた。



二人が蕎麦屋に着く頃には、風が強くなっていて、布看板がバタバタと音をたてていた…。


間もなく、ルカが自殺未遂をしたという噂を聞いた。
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透明な世界 ©著者:品川

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