5章:復帰 (2/3)

退院したての助手席に乗るのははっきり言って怖かった。

環七をぐるっと回って帰宅した。
翌日も少しドライブしてランチをして帰宅。

私の休みは会長が診断書を提出しろと言うので、かかりつけの先生に急性胃腸炎と書いて貰って出してあった。

そのまま会社に復帰することはなかった。

周一郎不在の間に三男坊が専務に昇格し、社長である周一郎よりも専務になった三男坊が力を発揮した、と言っても会長の言うとおりにしているだけで、周一郎がやろうとしていた会社の方向性は全く無視されただけである。



もう、この会社に未練はない。

はっきりそう思った。