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3章:開店 (1/10)

3章:開店


3月に出来上がるビルに
オープンする事に決まった。

周りはオープンギリギリまで働いて
お客さんを掴むべきだとか言ったけど、

お店をオープンする事を隠して

自分の新しい店の為にこの店で働く事はしたくなかった。

僅かな在籍だったけど、
お世話になったこの店と洋子さんを裏切りたくなかった。

しかし、私は呆気なく裏切る事をする。

オープンまでの3ヶ月
キャストを集めるために動いていた。

そんな時、
後輩が私の店で働きたいと言ってきてくれた。

しかし、その後輩は洋子さんの系列店で働いている。

断るべきか悩んだか、
この子が居れば売り上げは伸びる。

悩んだ末、私は自分の利益を優先させた。


その時も洋子さんは

「引き抜くのも引き抜かれるのも自分の技量。
 私もしてきた事だし、
 きっと果林もいつかされる。

 お店を持つとはそう言う事。
 頑張りなさい。」

と言ってくれた。

いつか私も人に同じ事が言えるのだろうか…

このセリフが似合う人になれるのだろうか…


まずは絶対に成功させなければ。

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ハダカの果林。 ©著者:果林

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